晴れる暗闇 / Youth Lagoon 復活

一度閉じた扉が再び開いた。

Youth LagoonことTravel Powresはひどい薬物反応を起こし、喉頭と声帯を8カ月失った。歌うことはおろか、再び話すことさえ出来るかわからない状況でメッセージと紙とペンが唯一のコミュニケーション手段だったそうだ。

そんなYouth Lagoonが8年ぶりのアルバム『Heaven Is A Junkyard』で復活。
名門Fat Possumよりリリースです。

絶望を経て復活を遂げた彼の楽曲は痛みを感じつつもどこか優しい。
泡に包まれるような浮遊感、生々しいメランコリックが美しい。
私は聴いた瞬間に涙いたしました。
耳元で囁くように聞こえる声と緩く漂うドラムのビートがなんとも心地よい。
歌のメロディーもスッとハマっていて全ての要素が曲を完璧に仕上げています。

さらに今作に至るまで「歌詞が正しくなければ、曲も正しくない」とアルバム2枚分ほどを没にしたそう。その曲たちも聴いてみたいですよね。

GIA MARGARET / ROMANTIC PIANO 至高のアンビエント

シカゴを拠点に活動するシンガーソングライター。
前作 Mia Margaret に続く3rdアルバムでセルフプロデュースによる全12曲を収録。Jagjaguwarよりリリースです。

前作では体調を崩しながらもボーカルをほぼ抜いたインストアルバム”Mia Gargaret”を発表し新たな境地を開眼した彼女。

フィールドレコーディングされた音をバックに奏でられる彼女の優しいピアノが心地よく心が洗われます。

Hinoki Woodでは放牧的な雰囲気にピアノの鍵盤を押す音まで聞こえるような繊細さ。
わずか1:35の永遠が冒頭より感じられます。

Cicadasは田舎へ帰った時、虫の鳴く静かな街の中でそっと歌っていてくれているような感覚になります。その音色はどこまでも優しく心に安寧をもたらしてくれます。

A Stretchはマイク・ミルズの映画で流れていそう。
不安定なピアノ、ふわりと流れるサックスの音色が心地よい。

そしてアルバムのちょうど真ん中6曲目City Songでは彼女のウィスパーボイスを乗せた歌モノ。ここまでが一旦閉じられてまたここから始まっていくのだろうと感じさせる。一度失った声を再び紡ぎ出し、どこか不安定さも抱えながらこれからも続いていくことを想起させます。